よく聞く単語でも詳しく知らない「赤ちゃんの免疫」。「免疫」とは、どんなもの??

ばい菌
赤ちゃんのことについて話題になる時、よく「赤ちゃんはお母さんから免疫をもらっているから、大丈夫だよ」、「予防接種もあるから、そんなに神経質にならなくても良いのよ」等と聞きます。
この「赤ちゃんの免疫って、一体何だろう?」と疑問に持たれた方はいらっしゃると思います。

今回は、赤ちゃんの具体的な免疫についてご紹介したいと思います。
是非参考にしてみてくださいね。

新生児の免疫とは?

クエスチョンマーク
免疫とは、「外からの侵入物に対して、身体を守る為に攻撃する力」のことです。

この免疫を胎児期に得る事で、生まれた後、感染から身を守る事に繋がっていきます。
したがって、赤ちゃんが風邪を引きにくいのは、この免疫を獲得しているからとなります。
一般的には、生後4ヵ月頃まで効果があると言われています。

免疫力「グロブリン」とは?

疑問に思う女性
抗体とは、侵入してきた抗原の刺激によって生体内で産生され、免疫学的特異性をもって抗原と結合するたんぱく質です。

それを、「免疫グロブリン」と呼ばれており、5種類(IgG、IgM、IgA、IgD、IgE)のクラスに分けられています。
新生児に関わる免疫グロブリンは、IgG、IgM、IgAの3つです。

簡単に例えると、「身体から見て外からの侵入物に対し、攻撃してやっつける・身体を守る力」を免疫力と言います。

免疫グロブリンIgGの特徴

・免疫グロブリンのうち、最も強力に感染防御があります。毒素や微生物に結合して無毒化します。
・正期産の新生児は、胎盤を通して受け取った後、生まれています。
・胎盤を通過できる唯一の免疫グロブリンで、移行は妊娠32週以降、経胎盤免疫と呼ばれています。
・生後4~6ヵ月くらいまで有効に働き、新生児を守ってくれます。
・風邪、風疹、麻疹、水痘といった感染症に罹患しにくいという大きな特徴があります。
・生後、半年以降は、感染症に罹患しやすい状態となります。
・血中に最も多量に見られます。

免疫グロブリンIgMの特徴

・5種類の中で、免疫応答(作り始め産生する速さ・量)が初期の段階にあります。
・初感染の時から産生される免疫グロブリンです。
・細菌同士を結び付けて凝集させ、補体(身体)を活性化する作用が強いです。
・出生直後でIgM値が高い時は、胎内または分娩周辺での感染が示唆されます。
・新生児でも、感染が起こった場合、血中IgM値が上昇します。
・感染に対して、残念ながら強力な対抗手段ではないです。

免疫グロブリンIgAの特徴

母乳に含まれるものなので、母乳に関してもご紹介いたします。

1.特徴
・新生児では、ほとんど産生されませんが、母乳中(授乳中)で獲得する事が可能です。
・母乳で得られたIgAは、腸管壁にとどまり消化管からの微生物の侵入を防ぐのに役立っています。
・消化管、気道、粘膜の局所免疫として働きます。

2.母乳について
・IgA以外にリゾチームとラクトフェリン等が含まれています。
 この2つは、非特異的な抗菌作用がある為、侵入してきた細菌に対して、その細菌を破壊する力を持っています。
・特に初乳に多く含まれており、乳児に受動免疫を与える事に繋がっています。
・免疫学的作用に関わる成分がある
 栄養成分としての役割、消化管の成長促進、抗炎症作用、抗感染作用、免疫調整作用があります。

免疫グロブリンIgD

・抗体産生細胞の分化に重要な役割をもっています。

免疫グロブリンIgE

・Ⅰ型アレルギーに関与します。肥満細胞や好塩基球に結合して、ヒスタミンなどの化学伝達物質を遊離します。
・最も微量な免疫グロブリンです。

新生児の感染症の症状

ばい菌
免疫を胎児期は胎盤を通して、新生児では母乳を通してもらっている赤ちゃんですが、完全な免疫状態ではない為、何かしらの病気に罹患する事もあります。

新生児の免疫機能や、新生児=生後4週未満の赤ちゃんが、感染している時・感染の疑いがある時に起こる症状をご紹介したいと思います。
把握される事で、いち早く気づき、早い対処が取れると良いですね。

免疫機能の特徴

1.胎児期
・胎児の免疫能力は、早期から確率していますが、無菌的な子宮内の環境にいる為、実際の抗体産生能力は不十分となっています。
・母親の免疫グロブリンが、胎盤を通して移行していますが、IgGのみが妊娠7ヵ月以後に急速に胎児へ移行しています。
 よって、妊娠7ヵ月前に生まれた児には、このIgGが無い・極わずかしかない状態となります。

2.出生後
・新生児は自ら免疫を作り始めると同時に、母乳からIgAを受け取りますが、免疫能力は不十分で感染しやすい状態です。
・母体由来のIgGは、生後6ヵ月頃、消失します。
 しかし、新生児自身は生後3~4ヵ月頃より産生が盛んとなります。
・生後3ヵ月頃は、母体由来のIgGの減少と、児自身の産生が少ない為、最も免疫グロブリンが少ない時期となります。

感染時の症状

1.何となく元気がない(母親が「何かが違う」と感じ取るもの)
2.皮膚の色が好ましくない・不良
3.四肢に冷感がある(冷たく薄紫・紫色)
4.哺乳力の低下(母乳・ミルク)
5.体温不安定(上昇・下降・平熱)
6.呼吸状態の変化(無呼吸、多呼吸、うなっている等)
7.腹部膨満(お腹が張る・膨らむ)、嘔吐
8.黄疸(生理的黄疸が長い、色が強い等)
9.活動性低下(元気がない、ぐったりしている等)
10.筋緊張低下(ダラーンとしている)
11.出血傾向(血が出やすい)
12.発疹(赤みをおびたポツポツ状のもの)
13.大泉門膨隆(膨れ上がっている・盛り上がっている)

まとめ

胎児期に胎盤を通して、新生児期には母乳から免疫を獲得している胎児・新生児は、神秘的な力と感動的なものがあります。

特に、IgGは妊婦(母親)が過去に水痘に罹患していると、その免疫が胎児に移行し免疫が獲得されます。
例えば、その赤ちゃんにきょうだいがいて、きょうだいが水痘に罹患しても赤ちゃんは水痘にならないという大きな特徴もあります。

また、予防接種を赤ちゃん・ママが体調の良い時を見計らって、少し早くても予防接種を受けておくと安心感があります。

いかがでしたでしょうか。
参考にしていただけますと、幸いです。

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