せなけいこ「ねないこだれだ」。自叙伝「ねないこはわたし」

「ねないこはわたし」せなけいこ

せなけいこさんの自叙伝的絵本「ねないこはわたし」が7月に出版されました。

絵本と名がついていますが、やっぱりこの本が楽しめるのはお母さんだと思います。育児や子供との関わり方について、いろいろな発見ができる本です。お子さんがご覧になるなら、原画や作成途中の様子が楽しめます。

ねないこはわたし

ためになると思って
描いたわけじゃない。
しつけの本でもない。

おばけになって
飛んでいきたかったのは。
わたしなの。

という言葉で始まるこの本では、代表作「ねないこだれだ」「にんじん」などがそれぞれどんな背景で作られたか紹介されています。

絵本作家になると決めて18年も経ってデビューしたとのこと。

お母さんの反対を押し切って絵の勉強をしたそうです。
もしもお母さんに「いいことねえ、けいこちゃん、お描きなさい」と言われていたら、絵描きにはならなかったかも、という感想も面白いです。

やっぱり子供って親の思い通りにはならないのかもーと再認識してしまいます。

ほとんどの作品はご自分のお子さんと育てているときに、次から次へとアイデアが浮かんだそうです。

どうりで大人にはちょっとシュールに思えるストーリーでも、子供には大人気なんですね。

そしてみなさん、「ねないこだれだ」とディックブルーナの「ちいさなうさこちゃん」が同じサイズの本なのにお気づきでしたか?

出版社が同じとかそうゆうことじゃない?と思っていませんでしたか?

これは偶然といえば偶然なのですが、そもそも最初の作品は息子さんのための手作りの絵本で、うさこちゃんが好きだったので同じサイズに作ったんだそうです。

さらに、「ねないこだれだ」の背表紙をよく見て下さいね。

なんとブルーナカラー、うさこちゃんの家のような三角屋根のおうち。あ、これブルーナだ!と発見してしまいますよ。

育児について自由な気持ちになれて、少し元気が出る本です。

せな けいこ (著)
文藝春秋 (2016/7/13)

子育てをした子育てをするすべての人へ贈る。最初で最後の自伝的絵本。

各章の内容
「ねないこ だれだ」:ねないこは おばけになって とんでいけ と言ったら、うちの子はなんと答えたか?
「にんじん」:私は、にんじんが嫌い。せめて子どもには好きになってもらわなきゃ。
そこで私がつくったのが……。
「もじゃ もじゃ」:もじゃもじゃの髪の毛、細いしっぽ。紙をちぎって、切って、どうやって絵にするか、教えましょうか。
「いやだ いやだ」:娘がいつも「いやだいやだ」と言うから、そのまま絵本にしてしまった。けれど、それは本当は、私の言葉だった。
――などなど。

ねないこだれだ (いやだいやだの絵本 4)

せな けいこ (著)
福音館書店 (1969/11/20)

「ボン ボン ボン……」と時計が夜の9時を告げる。こんな時間に起きているのは、ふくろう、くろねこ、それともどろぼう…「いえ いえ よなかは おばけの じかん」。

「おばけの じかん」にまだ遊んでいる子どもは「おばけになって とんでいけ」。小さいおばけが大きいおばけに手をひっぱられて、夜空へぐんぐん登っていくシルエットが描かれたページでお話は終わる。その後どうなったのかは語られないままだ。オレンジ色のあかりがともるおうちが遠ざかるのもこわくて悲しくて、読み終えた子どもはきっとベッドへ一直線。もちろんしつけのためだけでなく、安心感たっぷりの暖かいベッドのなかでじっくり怖さを味わうのも楽しい。

手でちぎったような貼り絵の輪郭が背景の闇にぼうっと溶け込んで、夜の厳かな雰囲気を作り出している。人気シリーズ「いやだいやだの絵本」(『にんじん』、 『もじゃもじゃ』、 『いやだいやだ』)の1冊。著者の描く「おばけ」のとりこになった人には「おばけえほん」シリーズ(童心社)もおすすめ。(門倉紫麻)

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