その咳、ただの風邪?0~6ヶ月の赤ちゃんで知っておきたい、咳にまつわる3つの病気

咳に苦しむ赤ちゃん
生後0~6ヶ月の赤ちゃんでは、ママからの免疫がある為、比較的、病気には感染・発症しないと言われています。
また、母乳育児の赤ちゃんでは母乳の栄養成分と同時に免疫ももらっており、健やかで元気な赤ちゃんが多いです。

しかし、身体機能が大人のように発達・成熟しておらず、免疫機能が弱い・未完成の為、絶対に病気にならない訳ではありません。
代表的で医師の診断・治療が必要なものをご紹介いたします。

また、咳が出る・止まらない代表的な疾患には「百日ぜき」、「結核」、「りんご病」があります。
特に、最近多くなっているのが、意外に結核です。
結核は小児(新生児~幼児まで対象)だけではなく、成人・老人まで罹患しており、問題となって注目されています。

風邪は一般的である為、看護師をしていたママより、風邪以外の疾患をご紹介いただきます。

赤ちゃんの咳が止まらない病気1 百日ぜき

咳に苦しむ赤ちゃん
百日ぜきの名前の由来は、まだ疾患名がなく初めて出現した病態の時、診察した小児科医が“100日続く長い咳”という事から、この疾患名が付きました。
実際に罹患した場合は、病態の特徴から100日以上、続く赤ちゃんが多く、生活スタイル全面で悩まされています。
しかし、ワクチンで予防が可能な疾患でもあります。

原因

細菌感染症の1つで、“百日ぜき菌”の飛沫感染で発症します。
強い感染力で、上気道より侵入し、患者から容易に感染する状態です。
免疫力が少ない・弱い赤ちゃんによって、飛沫・上気道感染は厄介な病原体となります。
潜伏期は、1~2週間です。

症状

3つの段階があり、その全過程は1ヵ月半~2ヵ月と長期です。
また、発症から2~3週間は“排菌”の可能性がり、感染力はカタル期が最も強いです。
下記に順番を追って、1つずつご紹介いたします。

(1)カタル期
・風邪のような症状が1~2週間ほど続きます。(風邪は基本的に長くても1週間前後です)
・主症状となるのは、鼻水と眼脂です。
・全過程中で、この時期が一番、感染力があります。

(2)痙咳期
・連続性で短い発作性の咳が出ます。
・息を吸う暇がない為、顔面紅潮、顔面の点状出血、眼瞼浮腫、眼球結膜の出血が現れます。
・短い咳の後、急に息を吸うので、笛声の咳嗽発作が繰り返されます。
・発作時以外は、全く正常な状態です。
・乳児の場合、無呼吸発作や痙攣を起こす場合もあります。
・4週間程で発作は次第に軽快しますが、2ヵ月くらい症状は残ります。

(3)回復期
・発作症状は減少します。
・この期間に風邪に罹患すると、再び痙咳発作が出現する場合もあります。

合併症

肺炎を伴う場合があります。

カタル期から丁寧に観察を行い、症状の増悪・新たな症状出現がないかを十分に観察する必要があります。
咳の発作がメインで、その随伴症状があり、そこに気を取られてしましますが、体熱感や発熱、著明な倦怠感等があった場合、再度、小児科の受診をお勧めします。
肺炎を合併すると、とても過酷な状態となってしまいますので、早期の診断・治療が有効で、回復力に繋がっていきます。

赤ちゃんの咳が止まらない病気2 結核

マスクをする女性
我が国で結核は、1950年代以降、罹患率・死亡率と共に低下していますが、他の先進国と比べると依然として罹患率は高いのが特徴です。
また、赤ちゃんが罹患する時は、一番そばにいる母親に結核が発見される事がある為、家族内感染が重要な感染経路である事を念頭におかなければなりません。

同時に近年、我が国では、高齢者の発症が背景にある事と、罹患した赤ちゃんが10年後・20年後に発病する恐れもある疾患です。
それだけに、予防接種を行い発症の軽減・予防する事に努める事が大切となっています。

原因

グラム陽性好気性生桿菌の結核菌による感染症です。
気道から感染し、全身の臓器に結核病変を起こします。
患者(他の赤ちゃん、大人・老人、家族等)からの飛沫感染・空気感染によって、肺に感染巣を作ります。そして、増殖・繁殖していきます。

症状

咳によって、チアノーゼを発症するリスクが高くなります。

(1)初期感染
“初期変化群”と呼ばれるもので、肺に感染巣を作った後、所属リンパ節に結核性病変が起こります。
80%は、この段階で初感染巣が石灰化して、発病しないで治癒します。

(2)初感染の場合
ツベルクリン反応陽性によって、結核と確認する事が可能です。

(3)結核菌が血行性・リンパ性・管内性に広がった場合
肺結核、結核性髄膜炎、粟粒結核、胸膜炎、骨・関節結核、腎結核を起こします。

(4)感染から発病までの期間
発病は、感染して1年以内の事が多い特徴があります。

(5)再発の恐れ
感染による罹患後、10年後、20年後に再び発症する恐れがあります。

咳嗽(がいそう)のケアについて

室内の温度・湿度を的確に保ちます。
特に湿度は、十分に保つよう意識します。
同時に埃、寒冷が咳の誘発因子となる為、避けます。
口腔内を拭き取る又はうがいを行い、水分摂取を促して、気道の湿潤を保つ工夫をします。

また、痰を排泄しやすくする目的で、ネブライザー(吸入器)による吸入が実施されます。
口元・鼻元を覆う形で持って、吸入薬が吸い込まれるように援助します。

赤ちゃんは痰を出せない為、口・鼻腔から吸引を実施する場合があります。
吸引による苦痛を生じますが、実施後は呼吸しやすく、痰を飲み込み新たな咳嗽が重なる事が回避される為、吸引のメリットがあります。

特徴

罹患の多くは高齢者ですが、近年は乳幼児・小児、若年者も発症していて、現在、全国で毎年2万人以上の患者さんがいます。

小児の結核は、病発期には無症状の事が多く、年少児ほど家庭感染が多い傾向が見られています。
この背景には、母親が活動性結核の場合、その子どもの約50%は予防的化学療法を実施しないと、生後1年以内に発病してしまいます。

また、易感染宿舎では、初感染で全身に急性粟粒結核を発症して、死亡に至る場合があります。
日本を含む世界的に、AIDS患者の多剤性結核菌による感染症が問題になっています。

赤ちゃんの咳が止まらない病気3 りんご病

りんご病のほっぺ

出典:子どものホームケアの基礎

ウイルス感染症の1つで、医学的には「伝染性紅斑」と呼ばれている疾患です。
顔がリンゴのように赤くなる事から、“りんご病”とも呼ばれています。

産まれた赤ちゃんも対象となりますが、お腹にいる赤ちゃん(胎児)にも影響がある疾患で、妊娠中~出生後までの幅広い範囲で捉え、知識を得ておいた方が良い疾患でもあります。

原因

ヒトパルボウイルスによる感染症で、特に学童期前後の小児に起こる“流行性発疹症”です。
経気道感染で、潜伏期は4~28日(平均16日前後)です。
感染力は、潜伏期の発疹出現前に強く、発疹出現後は低下する特徴があります。

症状

前駆症状の微熱、頭痛、軽度の咳・くしゃみ等の上気道感染、頬に蕁麻疹のような蝶形紅斑が現れます。
その後、四肢に多型性紅斑が見られ、次第に癒合して網状・レース状紅斑となります。
1~2日で消退します。

合併症

(1)関節炎
手関節、肘関節、足関節などで、両側対称性に起こります。
年長時以降に多く、女児に多い特徴があり、2~4週間のうちに軽快します。

(2)血液再生不良発作
一過性の血液再生不良発作で、貧血症状を示さず1~2週間で自然治癒します。
慢性溶血性貧血を患っている赤ちゃん・幼児では、発熱、倦怠感、顔面蒼白等の急性貧血を起こし、重篤な合併症となります。

(3)紫斑病
原因は不明で、点状出血・斑状出血を認めます。
血小板は正常範囲、又は減少します。

(4)胎児水腫
経胎盤感染により、胎児の肝内の造血抑制が起こります。
この為、重症貧血、心不全に伴う水腫状態が見られ、流産・死産を合併します。

まとめ

これらのことは、小児看護で看護学生時代に疾患を教えていただいた小児科医が、「大切な小児の疾患です、覚えておいてください」と言っていました。
特に、結核は生まれて間もない赤ちゃんには酷な状況です。
しかし、患ってしまった以上は何としても治したいですよね。
辛い治療となりますが、家族全員で乗り越えて完治してほしいものです。

また、咳は身体に不要な毒を出すための防衛反応です。
この為、むやみやたら“咳止め”は適さない時もあります。
これは、診察した医師が診断して処方しますが、豆知識として把握された方が良いと思います。
同時に、薬には必ず「副作用」があります。
薬によって源疾患は回復しているものの、副作用による対症療法または治療を強いられる場合もあります。

したがって、むやみに処方されるのはどうか?といった時もあります。
下記は、薬剤師の友達が言っていた言葉と、小児科医が教えたくれた言葉です。
印象深く、考えさせられた内容で深く突き刺さった言葉の1つです。

「対症療法よりは、『根本治療』が本当の理想であり、まだ小さな赤ちゃんには適切且つ迅速に、状況変化に合わせて処方した方が最良です。しかし、現実はママ・赤ちゃんの都合、事態の深刻さや急ぎを要する等で、できないのが大半です。」

こちらも豆知識として把握していただきたい内容です。

いかがでしたでしょうか。
参考にしていただけますと、幸いです。

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