子育ては母親を賢くする?

赤ちゃん

アメリカでは20世紀以降、出産経験のある女性の脳をマミーブレインと呼び、その構造が最大で7%も萎縮することから脳機能が低下し、忘れっぽいなどの症状が起こりやすいと考えられていました。

しかし哺乳類を用いた実験では、出産すると脳の機能は向上するとの報告も発表されています。

一方で、出産によりホルモンのバランスが大きく崩れるため精神的不安定になりやすい状況の中では、産後の物忘れ脳が発する危険信号ともいえるのです。

実際、脳は賢くなるのか?忘れっぽくなるのか?見ていきましょう。

出産経験のある女性の脳

赤ちゃんのお世話をする女性

妊娠、出産と目まぐるしく変化する環境同様、女性の体にもさまざまな変化が見られます。まず、妊娠中は卵巣や胎盤で生殖ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンが大量に分泌されます。そして、出産時には下垂体と視床下部から子宮収縮を促すオキシントン、母乳の分泌を促すプロラクチン、分娩の痛みを緩和するエンドロフィンが分泌されます。

これらの物質は脳にさまざまな影響を及ぼします。エストロゲンやプロゲステロンは母性反応をコントロールしている視床下部の内側視索前野にある神経細胞の細胞数を増やします

また、記憶や学習をコントロールする海馬でも神経細胞の分枝を増やし、表面積が広がるという変化が起こっています。

この他にも母性行動と関わりのある分野が刺激を受け、活性されるのです。これにより、産後の女性は忘れっぽいどころか母親として子どもの世話をはじめとするマルチタスクに対応できるよう脳機能が向上していることが分かります。

子育ては難問を解き続ける – 脳にとってのサバイバルマラソン

しまった、という表情の女性

実際に子育て中は、同時にたくさんの作業をこなすマルチタスク能力が求められ、赤ちゃんのわがままにも対応する忍耐力が求められ、次々と発展する成長の過程に合わせたケアが必要となる応用力が求められ、、、といった具合にママはいつも大忙しです。

以前なら「もーダメー」と思うようなことでも、大切なベビさんのためにできてしまった!ということはありませんか?

そうやって赤ちゃんのために能力を最大に発揮している脳は、脳自身が働きすぎることを防ぐため、赤ちゃんの生命維持に比べて重要ではないことであれば、あっさりと忘れてしまうとも言われています。

出かけるのに家の鍵がない、スマホをどこに置いたかわからない。。。うっかりミスが続くとへこんでしまいますよね。

鍵を置いた瞬間、スマホを置いた瞬間、きっとママは大切な赤ちゃんのことで頭がいっぱいだったのではありませんか?

脳のオーバーヒートを防ぐための物忘れ、たくさんのお母さんが経験しています。

忘れっぽい=危険信号?

しかし、楽観してはいけない「物忘れ」もあります。

ホルモンバランスの変化だけでなく、妊娠、出産という大役を果たした女性の体は疲労しきっています。また、昼夜を問わない子どもの世話で睡眠不足になる上、慣れない子どもの世話により、女性の体は疲労回復どころではありません。

そんな中起こる「忘れっぽい」といった症状は記憶機能や認知機能の低下によるものであると考えられます。

では、本来向上するはずの脳機能が低下するのは何故なのでしょうか?それにはさまざまな理由が考えられますが、マタニティブルーや産後うつなどが発生する予兆だとも言われています。

産後の心身の状態がきっかけとなり、生活環境、脳機能の変化により産後うつが発生します。この産後うつはその症状の重さにより専門医による治療が必要になることもありますが、多くは6〜8カ月で自然と寛解します。これには周囲のフォローをはじめとするケアが重要です。

まとめ

解決!ポーズの女性

妊娠、出産は女性にしか出来ない素晴らしい大役です。命を育むということは男性には知り得ないたくさんの発見や喜びに満ちています。

その一方で、大役を果たした女性の体はさまざまな変化により疲労しきっています。そのため、大なり小なり体の不調は付き物です。

しかし、この「母性健忘症」あるいは「妊娠性健忘症」と呼ばれる「忘れっぽい」などの症状を軽視せず、その都度、適切なケアをすることは女性の健康維持に必要なことです。

また、多くの課題をこなし続ける中では、ミスも起こりやすくなっているということをあらかじめ認識しておくとよいでしょう。

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