ご近所さん的存在の「子ども食堂」の意義と課題

母子家庭などの一人親や共働き家庭など家庭環境が多様化している現代社会において、「子ども食堂」は新しい形の子育て環境を築きつつあります。

まだ始まったばかりと言える「子ども食堂」のこれからについて考えてみたいと思います。

子育て中のおうちの方であればご自分の家族だけでも手いっぱいで、他のご家庭のお子さんにまで気を配る余裕はないかもしれません。でもほんの少し、社会全体のことを考えてみたいと思います。

子ども食堂とは?

定食

子ども食堂とは経済的なことをはじめとするさまざまな理由により、家庭で満足な食事を取ることができない子ども達のために、地域のボランティアや子育て支援者などが集って運営している食堂のことです。

基本的に子どもは無料または低料金で利用でき、大人も料金は必要ですが利用可能です。食材は寄付によるものを使用し、調理はボランティアの方々がしていることで、光熱費程度の費用のみで運営しています。

この運営費は国の助成や大人の参加費で賄われています。新聞社の調査によると、2016年5月末時点で全国に319カ所はある「子ども食堂」は、経済格差により貧困状態にある子ども達の健康面だけでなく精神面など、幅広い方面からサポートし、健全な子どもの成長を促すための支援を目指し、活動しています。

子ども食堂の意義と課題

カフェ

ひと昔前ならご近所さんを含め、地域全体で子ども達を育てる環境が当たり前でした。

子ども達は親以外にも頼りになる存在が周囲にあることで常に拠り所がありました。しかし、近所付き合いは疎か、人間関係自体が希薄になりつつある現代社会において、孤独な環境で生活を強いられている子どもは少なくありません。

「子ども食堂」は同じような環境下に置かれた子ども達にとって、ご近所さん的な存在のような拠り所となり得るのでしょうか?

しかし、「子ども食堂」が社会に浸透するには解決しなければならない問題が多々あります。

例えば、本当に必要としている子ども達が利用できているかという点です。子ども達が「子ども食堂」を利用しようとすれば、情報収集から必要であれば交通費の捻出と利用するに至るまで、必要な工程があります。交通費に至っては、費用がかかるわけですから本末転倒です。

孤独な環境に置かれた子ども達にとって、「子ども食堂」に至るまでに必要な情報ネットワークや費用はかなりのネックになります。

また、「子ども食堂」では限られた日時にのみ食事が提供されています。毎日の食事さえままならない子ども達にとって、月数回の食事で健全な成長を促せるほの栄養が得られるのでしょうか?子ども達が安心して暮らせる環境作りには課題がまだまだ多いと言えるでしょう。

まとめ

先進国の中でも子どもの貧困が目立つ日本ですが、その背景には人間関係の希薄化や多様化する家族構成、親子関係など複雑な問題が潜んでいます。

「子ども食堂」は食事を提供する場としての役割だけでなく、孤独な環境下にある子ども達が健全な心身を維持できるように、安心できる拠り所としての役割も求められています。これからますます需要が高まる「子ども食堂」がもっと身近な存在になるように、社会全体で支援していく必要がありそうです。

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